枚岡から一歩も出た事ないかもね^-^

東大阪・東部に位置する枚岡神社周辺に住み続ける、女・商人のブログです。
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不機嫌の理由 9
制服の上からの
防寒着は許されている。

そのジャンパーのフードを
頭の上から、すっぽり被った
弟くんは、
まるで、観光地でよく見る
記念写真を撮る看板。
そう、顔だけ出してる
ご当地キャラ状態だった。

「おはようございます。
どうされましたか?」

「俺は、ゲームが好き」

例によって、
的確な返事はなかった。

「そうだよね。よく知ってますよ」
そう言って、
私は今日で最後になる、
弟くんとの会話を聞き漏らさぬよう
腰をかがめて聞き耳をたてた。

しばらく会話が途切れたので
私から話し掛けてみた。
「ゲームの話、
もっと聞きたいわ〜
けど、おばちゃん、
めっちゃ、さみしいわ…
六年生になるまで、
ずっと見守れると思ってたんよ。
どんな六年生になるか、
めっちゃめっちゃ楽しみにしてたんよ。」

そう、
どんな、格好いい
お兄ちゃんになるかな?
どんなに、
身長は伸びるのかな?
好きな子出来たら
教えてくれるんやろか?
お姉ちゃんが、中学校行ったら
一人でちゃんと行けるんかいな?

「おばちゃん、
ほんまに、ほんまに
六年生まで、見守りたかった…」

そう、話し掛けながら自分で
涙声になってるのがわかった。
まさか、こんな心境になるとは
思わなかったし、自分でも驚いた。

どこかのお宅から、
テレビのピアノの音が聞こえてきた。
ひとり、卒業式状態だった。

「俺も、思ってた。」

ちっちゃい、しゃがれた声で
そう、聞こえた。

「俺も、六年生まで、
おれると思ってた。
六年生まで、同じ小学校で、
六年生まで、同じ友達で、
六年生まで、同じ道で、
ずっとずっと、
おばちゃんと一緒に
学校いけると、思ってた。」

ウソ?
おばちゃんと一緒に?

「お姉ちゃんは、朝、
ちゃんとしろ、ちゃんとしろって ゆうねんけどな、
それは、知ってる。
でもな、俺はな、
ゆっくり行きたいねん。
おばちゃんに、
心配かけたいねん。」


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