枚岡から一歩も出た事ないかもね^-^

東大阪・東部に位置する枚岡神社周辺に住み続ける、女・商人のブログです。
不機嫌の理由 6
次の朝。

お姉ちゃんは、
用事があると言って、
早めに登校して行った。

弟くんが
少し遅れて、こちらに
やってきた。

私は、思い切って聞いてみた。

「来週も、あえるんかな?」

転校するの?
とは、どうしても聞けなかった。

「あと、3回。
今日を入れたら、4回。」

弟くんは、しゃがれた
小さい声で、言った。

ほんまやった……。

聞かなければ、良かったかも。

私は、後悔した。

「ほんなら、金曜日?」

「うん。そう。
次の家は、一戸建て。」

確定的だ。

お家を買って、お引っ越し
しはるんや。
それは、すごい、すごい!

「ええなぁ〜俺の部屋も
出来るんかなぁ〜?」

と、私は、楽しいこと
を聞いてみた。

「しばらくは、お姉ちゃんと
一緒の部屋やって。
俺は、ゲームしたい。」

ゲームの話の割には、
テンション低いやん。

「そうかぁ、
新しいお家はええなぁ〜
おばちゃんも、
お引っ越ししたいなぁ〜」

と、おどけてみせた。

が、弟くんのテンションは
下がる一方だった。

ミスった。
聞かなければ、良かった。

2人の会話は
それ以上
続くことなく、
横断歩道に来てしまった。

私は、
やけに小さく感じる
弟くんを見送る。

そう、   
見送ることしか出来なかった。

あと、3回。

つづく

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不機嫌の理由 5
引っ越す。

そう聞いてから、
逆に、
私からは何も言い出せなかった。

はっきりと
2人の口から
「引っ越す」と、
聞くのが怖かった。

お姉ちゃんの不機嫌の理由。

それが、
お友達と、お別れするから…
なんて、
聞くのが、怖かった。

不機嫌の理由が
別のものかも知れない。

でも、この四年。
毎朝、毎朝、
彼女の様子を見守ってきた私は、
その理由の答えがわかっていた。

さらに、ここ数年は
弟くんとの登校風景を
尊敬の念で、見守ってきた。

お姉ちゃん…

声が掛けられず
また、今日も終わってしまった。

つづく
| - | 19:19 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
不機嫌の理由 4
2日間続いた
弟くんとの朝の出来事は
最終的に、
弟くんの

「白目むいたんねん!」

っちゅう、顔の残像しか
残らないまま、
何事もなく、数日が過ぎた。

しかし、お姉ちゃんは
なんとなく元気が無い。

まあ、そんな時期も有るわよな〜
と、自分を言い聞かせていた。

ある日、
ひょんなきっかけで
姉弟を知る
共通の男の子と話す機会があった。

私は、弟くんの
『白目むいたんねん!話』
を、その男の子にして
二人して、ゲラゲラ笑っていると

「そうや、おばちゃん知ってる?」

「何を?どないしたん?」

「あの二人、
来週、引っ越すらしいで!」


え?なんて!
引っ越すて?
ほんまに?

「ほんま、ほんま。
○○小学校やって、言うてたよ」

転校先の小学校名まで
知ってるとは
具体的で、嘘じゃなさそうだ。

この瞬間、
私の中にあった
違和感が紐解けていった。

お姉ちゃん……

お姉ちゃんの
不機嫌の理由が
わかったような気がした。

つづく



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不機嫌の理由 3
あら?
今日も、どうされました?

昨日に引き続き
お姉ちゃんは、ご立腹だ。

「あいつ、バカだ!
大きくなったら、アホになる。
今でも、アホだから
直らないと思う!」

今日は、やけにご立腹だ。
お気の毒さま。

「お姉ちゃんも
毎日大変ですね。
ご苦労様、ありがとーね。
弟くんは、
オバハンと行くから、
お姉ちゃんは、遅れないように、
先に行きますか?」

「うん、ありがとう…お願いします。
……あの、バカ。」

「いえいえ〜
お姉ちゃん、
いつもありがとうね。
弟くんは、大丈夫!
昨日も、
お姉ちゃんに追いつくぞーって、びゅーんて行きましたんで、
大丈夫ですよ!」

「あの、バカ!」
そう言って、お姉ちゃんは、
後方から、
一秒に数ミリしか進んでいない
弟くんを確認して
先に行った。

当人の弟くんは、
手提げ袋を、散歩中だ。

「おはよー
カバンをお散歩させてるん?
楽しそーでも、汚れてまっせ。
カバンも、
喜んでなさそうですよ〜
カバンは、こうやって、
オバハン持ちして下さいね!」

そう言って、わたしは
ひじをまげ、
カバンを持つマネをしてみせた。

「うるさい。
ちゃんともってるしなぁ〜」

反撃出来る元気は有るらしい。

「お姉ちゃんに、
怒られたんか?」

「俺な
ゲームの話してるだけやねんで」

「いやいや、もしかしたら
ゲームの話しか、
してないんちゃうか?
ご飯たべたり、服、着替えたり
ちゃんと歩いてる?」

「お姉ちゃんな、
バーンて、ボーンて頭たたくから
俺、白目むいたんねん!
ほんまに、お姉ちゃん悪い!」

私の質問の答えになってない。

「お姉ちゃんは、あんたを学校に
無事に連れていく
任務があるんよ。
ゲームで言うたら、
安全に学校に連れて行かないと、
朝のステージが
クリアにならんねんやん」

弟くんは、納得いかない様子だ。

「お姉ちゃんも、一緒にゲームの話、したいんやと思うよ…
夕方やったら、
話してくれるやろ?」

「うん。」

「ほんなら、なおさらやわ。
一人でしゃべってる、あんたの
お話相手をしてあげたいんやわ。
けど、学校にちゃんと、遅刻せんと行かんとアカンしさぁ〜」

この間、
少しずつ進んでいるので、
ご心配なく。

「歩きながらやったら、
お姉ちゃん、
おこってへんやろ?」

「うん。おこってへん。」

「ほら、わかってきたやん!
ちゃんと歩きながら、お話してると
怒られへんし、楽しいやん!」

「けど、お姉ちゃん、
最近、イライラしてんねん。
すぐ怒るねん。だから
白目むいたんねん!」

白目、好っきゃなー

けど、お姉ちゃん。
やっぱり、そうやろ。
ちょっと、いつもより
イライラ感が伝わってくるよね。

うーん。
なんか、心配ごと
あるんやろか?
オバハンも、
めっちゃ心配やねん。

つづく
| - | 16:14 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
不機嫌の理由 2
「まぁしゃーないな。
お姉ちゃんの言うこと
聞いとく方が、
上手いこといくと思うけどなぁ〜
だいたい、
女の人の言う通りにしとく方が、
正解かもよ〜
オバハンも、実は女やで!」
おっと!こんな時間や!
さてさて、
君のやる気スイッチを
探す時間かなぁ〜
どこやどこやぁ〜」

といって、
弟くんの頭のてっぺんを
ポチっと押してあげた。

「うぁ〜そこちゃうしぃ〜
ほんで、
ボタンなんか押さんでも、
行けるしぃ〜」
といって、弟くんは駆け出した。

「あぶないで!
横断歩道のとこでも、
いったん止まるんよ!」

先ほどまでの地盤沈下は、
なくなり、
今は、新幹線だ。

気持さえ、
切り替われば大丈夫。

このお姉ちゃんは、
決して、弟くんを見放している
訳ではない。
四つ角や、横断歩道手前では、
必ず後方を振り返って
弟くんの様子を
確認しては、進み
確認しては、進み
と、きちんと見守ってあげている。

いつもいつも
弟くんの面倒を、
しっかりみてあげている
大変、しっかり者で
素晴らしいお姉ちゃんだ。

どんなに、弟くんが
すねていても、
じっと見守ってあげている
素晴らしいお姉ちゃんだ。

でも、ここ最近
お姉ちゃんの様子が
いつもと違うような気がする。

思春期にさしかかったのかな?
とは思ったのだが、
すぐに、

何だか違う。
何かが、しっくりこない。

この違和感は、何なのか。

確かめる暇もなく
バイクが、スピードを上げて
子供達の
すぐそばを通って行ったので
慌てて、いつもの
交通おばさんに戻った。

つづく
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